ハピラッキー、ヤマト神帝が言った言葉、なんだか俺もちょっと懐かしいぜ。
でも、本当に誰が言った言葉なんだろう?今回の俺はその言葉に助けてもらったようなものだから、ヤマト神帝の親友に感謝しておこうかな。
けど、ヤマト神帝の親友ってだれなんだろうか?俺たちなんだかんだと、結構長いこと一緒にいるけど、そんな事言うやつ知らないってことは聖動源のやつか?
ま、でもヤマト神帝が「誰だっけ?」とか言ってたから、本当は親友じゃなくて、あいつお得意の「偉い天使になるため」に読んだ本かなんかに書いてあったと見るべきだな。
ヤマトはホント、考えなしのばかだからな。
「おまえも大差はないがな」
少し考え事をしていたら、いつの間にか隣にいた神帝フッドがこんなこと言いやがる。と言うか、大差ないって何のことだ?
「考えなしのバカはお前もだと言ったのだ」
あれ?俺もしかしてさっき考えてたこと、口に出してたのか?と言うか、なんで俺までバカなんだよ、ってそんな気持ちをこめて思いっきりフッドを睨んでやる。
しかし、こいつ、俺の睨みには細い目をさらに細くして俺をちらりとみやがったあと、小ばかにしたように鼻で笑った。
「危険な旅の最中に、砂漠見て駆け出して行ったのはどこのどいつだ?」
げっ・・・
「罠だと疑いもしないで悪魔について行ったのは誰だったかな?」
うっ・・・
「俺も考えなしのバカで良い。ごめん・・・」
うぅぅぅぅ・・・謝るしかないよな俺。
「まあ、いい。その行動力がお前の魅力でもあるわけだからな。だが、私達が目指す新世界への旅に一番不要なものは諦めることだ。一瞬でもヤマトだけ助けようと思ったその心は私は許さないからな。許してほしければ、二度と諦めたりするな。ハピラッキーは我々の合言葉になったのだから。」
あーあ。悔しいけどこういうところはフッドにはかなわないな。
―――毎日夢に見ていた『耳まで口のさけた悪魔』は、今日の夢には出てこなかった。ハピラッキーの心のおかげかもしれない―――
無縁ゾーンを脱出する方法を現在シャーマンカーン様が必死にお調べくださっていますが、この無縁ゾーンに突入したのは本当に大分前だったような気がいたします。
この世界では無縁ゾーン突入はつい先日と言ってもいいのです。しかしながら私には彼の世界での記憶が残っております。
後ろで無邪気に笑いあっている神帝たちは、とても充実した楽しい仲間のことは忘れてしまっていることがとても残念です。
しかし、彼の世界で神帝男ジャックが言ったみなさんの『絆』は記憶がなくてもやはり残っているようで、聖光ゲンキの口癖でまとば世界でも事あるごとに皆を勇気付けた『ハピラッキー』は次界への旅の間の我々の合言葉となりました。
ゲンキ、ジェロ、そしてまとばのみなさん、どうぞご安心を。我々は我々の世界でラッキーを見つける旅を続けていきますね。
それにしても少し考え事をしながら聖ビッグバードの操縦をしている私の目の前には、なんだか怪しげな雰囲気な世界が広がり始めました。
そこは無数の、しかもとても大きな扉が広がっているのです。
未知の世界への旅ですから何があっても不思議ではないと頭では理解しているつもりなのですが、これではどの扉が正規の道なのかが分かりません。困りました。
神帝たちも目の前に広がる光景に、異変を感じたのか続々と部屋から出てまいりました。
「だれかいますか?いたら開けてください。」
対策を考えている私をよそにヤマト神帝は大きな扉に次から次へと話しかけております。
悪魔の罠だったらどうするのですか!?心ひそかに焦っている私の心をつゆ知らず、今度はアリババ神帝が飛び出して行ってしまいました。
「とりあえず、片っ端から開けていこうぜ。」
言うが早いか、どんな扉でも明けてしまうことができる彼は、おのれの剣に理力をこめ、その言葉通り片っ端から扉を開けて行ってしまいます。
ですから、悪魔の罠だったらどうするのですか、再び叫びそうになりましたが、動かなければラッキーはやってこないというのも、あの世界で学んだ事実。
「みなさん、万一に備え、戦いの準備を」
頭で考えるよりも身体が動いてしまうヤマトとアリババは少しばかり危険ではありますが、それが彼らの魅力でもあるのですから、冷静に状況判断することが出来る他の者たちで彼らのフォローをいたしましょう。
―――あとがき―――
歴史改変のハピ☆ラキ ビックリマンの最終回よりのお話をスタートさせます。一応聖魔和合までの予定。
一応旅の順番としては旧作どおりに進みますが、旧作でアリババがいない所でアリババがいることになりますから、オリジナル要素満載になると思います。
題名は『ハピラッキーの絆』
↑ハピラッキーは言わずもがな、『絆』は最終回、ゲンキたちとの別れのシーンでの男さんの言葉から♪
今回は序章ということで、話を進めるというかハピラキ最終話のまとめみたい感じです。
ハピラキではアリリン&ふーにゃんコンビが大好きだった♪旧ではアリババ&フッド&ピーターのトリオが大好きだった。
だからこそ、最初はアリババとフッドで♪
Photo by.空色地図
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