この少年からはいつも砂漠の太陽の匂いがした。
 それは常日頃変わらずに。
 太陽の匂いをかぐのが結構好きだと思う私がいる。
 太陽の笑顔を見るのはかなり好きだと思う。

 出会った頃は、彼のその自由奔放さが羨ましく思いつつ憎らしかった。
 自分が背負っているものを疎ましいとは思わないけれど。
 彼のように自由に生きてみたいと思ったことも事実。
 なぜ力を持たない私が王女なのかと何度も自分を責めた。

 「俺とお前は友達なんだから一人で悩むなよ」
 不意に言われた一言は私を動揺させるには十分な言葉。
 「友達」19年間生きてきて初めて言われた。初めての友達。
 なにやら心地いい。
 けれど、それを素直に口にするには私はひねくれすぎたかもしれない。

 「お前は辞めて」
 ただそれだけ口にした。心の中ではありがとう。

 へへっと苦笑いする彼からはやっぱり太陽の匂いがした。








―――あとがき―――
 アーシェ→ヴァンと言うことで(^^ゞ
 アーシェはヴァンに結構影響されると思うんだけど・・・それが「恋」かどうかは私にはわかんないかも(^^ゞ



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