「さぁ行こうぜ」
聖Iアリババがみんなに声をかける。
スーパーゼウス様が神帝隊に折り入って話があるらしい。
いつもはふざけたスーパーゼウス様がまじめな顔してたので、なにか嫌な予感はする。
たぶん、みんなも同じ気持ちなのだろう。
少し沈んだ面持ちだ。
天聖界から来たばかりのアリババはもしかしたら、事情を知っているのだろうか?
何も言わないけれど、なんとなくさっきからみんなを気遣ってことさら明るく振舞っているような気がする。

カツカンカツカン
先頭を行くアリババの足音。
あいつの左半身は聖ボット化したそうだ。
そうしてでも、あいつが生きていてくれたことが嬉しい。
でも自分の手足を切り落としてしまった気分はどんなものなのだろうか?
そうやって命を繋ぎとめすぐに戦場にやってくる。
たぶん本人が希望したことだろう。
ぼく達神帝は戦うために生まれた存在だから。


だけど・・・
スーパーゼウス様のお話は予想以上につらいものだった。
次界の最終地である久遠エリアに行くためにはぼく達7神帝の命で虹の橋を架けるしかないそうだ。
ぼく達は平和な世界を夢見てここまで旅してきたんだ。
なのに、そのぼく達が平和な世界を見れないなんてひどい。
みんな同じ気持ちなのか、うつろな顔してる。
しかし、聖Iアリババだけがやけに冷静な顔してる。
「ねぇアリババ。君はこのこと知ってたのかい?」
先ほどの疑問が当たってたような気がして、尋ねてみたが当の本人は不思議そうな顔をしながら答えてくれた。
「いや、ただ夢を見たんだ。平和な次界の夢をね。そこには俺はいなかった。まさかみんなもいないとは思わなかったけど」
夢を司る地の出身のアリババの夢はほぼ正夢に間違いない。
それを聞いてアリババが冷静でいられた意味を納得した。
「俺はさ、何度も死んでるし平和な世界が待っているなら命を捨てることは怖くないけど、お前らは・・・」
続けてぼく達を慰めてくれようとするアリババの言葉は続かなかった。
気を使ってくれてるんだろうってわかって嬉しい反面、平和な世界で暮らしたい気持ちはアリババだって同じだと思うとつらかった。
「それが神帝の運命ならしかたねぇ。平和な世界が待ってるならおいらやってやるぜ。」
ぼくと同じ気持ちだったのかな?男ジャックがことさら明るく言い切った。
他のみんなもそれにうなずいている。

ぼく達7神帝はたくさんケンカもしたけれど、最後まで共に戦えるんだね。
みんなで行こう。生まれ変わっても友達でいられればいいな。
―――明日神帝は虹となる―――








―――あとがき―――

 虹に向かうヤマト視点の詩です。
 オリジナル設定バリバリ。。。
 「聖夢源出身者だからアリババの夢が正夢」はオリジナルです。
 それとアリババの聖ボット化した部分なんですが・・・本当はどこなのか良く分かっていません(^^ゞ
 私は左半身だと思っていたのですが、両足と言う方もいたり・・・どこなんでしょう???コミックとかによって違うのかな?
 私が左半身と思っていたのはどうしてだか定かじゃないんですけど・・・ただ左側に魔洗礼の傷があるからだったからだろうか・・・


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