「みんな、どこに行ったのでございましょう?」
 次界を救う旅の途中、ほんのわずかな休憩。
 皆必要なものを買ったり、色々こまごまな用を足したりとしていたのだが、ミネルンバははぐれてしまった。
 なぜか小さな頃からベイギャルズの5人は一緒にいた。そして示し合わせたようにヤマトウォーリアが隊長を務める次界警備隊に入隊した。
 それは自分の意思と言うよりもまるで運命のようで、偶然と言うより必然に近かったような気さえする。
 そのベイギャルスの仲間達がほんのわずかな間なのだと分かっていても、一緒にいないことにミネルンバは心もとない気分でいる。
 にぎやかな街の中、仲間を探して歩き回るよりは、おとなしく皆を待っていたほうが確実と判断した彼女は、仕方なしに待ち合わせ場所、ワッPのところに帰ってきていた。





 「まだ、集合時間には時間があるでございますね。」
 誰に話しかけたわけではない。それでも一人でいることのほんの少しの不安から口に出る言葉。



 ―――そう不安になるなって。お前らはいつも一緒だっただろ。昔から―――



 ふと、そんな声が聞こえたような気がしてミネルンバは周りを眺める。
 しかし、そばには曼聖羅からやってきたという不思議な乗り物ワッPだけ。
 そう乗り物。ただの乗り物。乗り物が言葉を発するわけがない。
 しかしこの乗り物はいつもピンチになったら助けてくれた。まるで意思を持っているかのように。
 「あなたは何者でございます?」
 馬鹿げている。ベイギャルズ一の現実派を自他共に認めるミネルンバだ。しかし馬鹿げていると思いながらも尋ねずにいられなかった。
 端から見たら奇妙な光景であろう。ただの乗り物に語りかける自分。そしてその乗り物が自分に語りかけてくれてるような気がするなんて。
 パオ〜ン。



 ―――知らなくてもいい。そのほうが幸せだ―――



 「幸せでなくても知りたいでございます。」
 泣きそうな顔で、それでもはっきりとした口調でミネルンバはそう言う。
 知りたい。彼の言葉から分かったことはたった一つだけ。自分は彼を知っている。いや、知っていたはずだ。
 いつ、どこで出会ったかそんなことはどうでもいい。ただ彼のことは思い出さなければならない。
 胸の奥がなにか、もやもやする。なにか重大なことを、とてもとても大切なことを忘れているかのような気がする。
 「あなたは何者でございます?」もう一度、問うて見る。






 「おっ。やっぱりミネルンバここにいたぜ」
 「良かったでちゅぴ〜」
 「迷子になるなんて、おっちょこちょいだわさ」
 「早めに帰ってきてよかったじゃん。」
 ワッPはミネルンバの問いには答えなかったが、彼の言うとおり自分の仲間は帰ってきてくれた。
 普段は一緒に居すぎて、何も感じないけれど、一人になってしまった後は仲間達の賑やかさが心地よい。
 皆好き勝手を言ってはいるが、明らかに自分を心配して早めに帰ってきてくれたのであろう。



 「アリババ・・・君だけ一人にしてごめん」



 ミネルンバはふと口をつく。自分の口なのに自分の言った言葉が信じられない。それでもとても重要な言葉のような気がした。
 不思議そうに自分を見つめる仲間達に気づき、想いを振り切った。
 今は彼は何も言ってくれない。でもいつか彼をもっと知りたい。その日までもう少し待っていてほしいでございます。





 ―――気にするな。俺は一人でもやっていけるから。今までもこれからも―――








―――あとがき―――

 新ビの神帝因子の話になると少々わけ分からん文章になりますな・・・前回の「守護するもの〜ペガ〜」同様にわけわからん(^^ゞ
 だけどさ・・・アニメの新ビではベイギャルズとペガ(ワッP)の接点がまるでないのが少々寂しく(^^ゞ

 この話は、ボルカンヌ、セレンス、ミネルンバで誰を主役に持ってくるか少々悩んだんですけど・・・
 一応、恋人(?)がいるボルカンヌやセレンスよりはミネルンバのほうがいいかな?とか思ったり(笑)
 ちなみにでちゅぴ〜さん(ベスタニャ)と、じゃんじゃんさん(メルクリン)はキャラが明るいために、初めから論外でした(笑)

 マイ設定ですが、メイドン〜GDまでは神帝因子は神帝の記憶は皆無だと思います。
 パンゲアクターになって、思い出したんじゃないかな?と・・・身体は別物ながら、魂は神帝隊そのものなのではと・・・賛否あると思いますけど(^^ゞ


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