「うわ〜すっげぇ〜!でっかい泉。」



 聖フェニックス以下8人の若神子たちとクロスエンジェルは皆つかれきっていた。
 体力的なものももちろんなのだが、それ以上にな現在道に迷っている状況でなかなか先へ進むことが出来ないこともあり精神的に疲れているほうが強い。
 ヤマト王子、天使男ジャック、一本釣帝、騎神アリババなどはっきり言って、気が長いとはお世辞にもいえないものたちは、些細なことでケンカをはじめている。元来がケンカばかりしている4人ではあるが、疲れがたまっている所為でいつにもましてケンカの内容が些細すぎる。
 それでも主である聖フェニックスが文句一つ言わないでいるのに、若神子たちがぼやくわけに行かないと思っているのか、彼らは「疲れた」の言葉は飲み込んでいた。
 それでも限界と言うものがあって、それに限りなく近づいてきたときに道端に大きな泉を見つけたのだった。



 一目散に駆け出したのは、いつものごとくヤマトとアリババとエンジェルで、すでに泉に足を入れて遊びまくっている。
 他の6人も駆け出していきたくてうずうずしている様子。
 そんな様子に聖フェニックスは苦笑いを浮かべながら「ここで休憩しましょう」と提案するのであった。



 早く次界に行きたくて焦っていた。瞳をキラキラさせて遊んでいる若神子たちを眺めながら聖フェニックスは思いにふける。
 そんな焦っている自分に若神子たちはずっと付いてきてくれている。
 しかし彼らはまだまだ子供。遊びたい盛りである。



 これから先はたぶん長い。いつも緊張感を保てというのが無理な年齢なのだから。
 次界への道は安易ではなかろう。試練もたくさん待ちわびているはずで、普通の子供でいる期間に大変な旅をしなくてはならないのだ。
 旅の最中で大人にならなくてはいけない若神子たちを不憫だと思う。
 しかし次界で平和を手に入れることが出来たら、この子たちには何にも変えられない財産になるだろう。



 その時にはこの子達が立派な大人として子供達を導いてくれるとフェニックスは信じている。
 若神子たちは各聖源においてそれだけの力を持って選ばれ、修行を積んでいた優秀な子供なのだから。





 それでも、たまにはこんなのんびりした時間があっても良い。
 大人にはまねできない無邪気な笑顔は一生忘れることはなさそうだ。



 今日くらい、思う存分遊んで、ゆっくり眠りなさい―――









―――あとがき―――

 こどもの日と言うことで(^^ゞ
 無邪気な子たちを書きたかった。・・・けどほぼフェニックスの心の中になった・・・つまりが当初の予定に見合わん(^^ゞ
 とりあえず若神子といえどもまだまだ子供で、遊びたいだろうなと。
 神帝になってからは・・・無邪気とはかけ離れるような旅になってるし(^^ゞ

 「次界で平和を手に入れることが出来たら、この子たちには何にも変えられない財産」って一文ですけどね・・・
 この時点ではフェニックスも神帝たちも平和な次界で生活できることを信じて疑っていないよね。
 結局は神帝は虹となって消え、ロココも・・・平和な次界で暮らすことは出来ないのだけども(^^ゞ

 ちなみにエンジェルは・・・子供じゃないだろ?と言う突っ込みは自分でもある。
 だってゼウスより長生きなんだからさ(^^ゞ


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