ハピ☆ラキ 聖フェニックス若神子観察偏
聖フェニックスです。
この世界で氷付けにされていましたが、神帝たち(いえ、今は若神子と言ったほうが良いでしょうか?)が助けてくれました。
いつの時代も、彼らは本当に頼りになりますね。
すこしばかりケンカが多いのが難点ですが、ケンカするほど仲が良いとも言いますし、微笑ましい程度のケンカなら大目に見ることにいたしましょう。
しかし、若神子たちは記憶を失っているそうで、それだけならよいのですがずいぶんと性格が変わっているのには驚きました。
クールで、かっこいいことと綺麗なことが大好きだったはずの神帝ピーターは、自分の思うとおりにことが運ばなければ、地団太を踏んで大泣きしていますし。
猪突猛進で前しか見ていなかったはずのアリババ神帝は、なぜか疑り深くなっていますし。
照れ屋さんだったはずの神帝男ジャックは、キラーンなどと歯を光らせ以前の彼が見れば怒鳴り倒してしまいそうなセリフを言っておりますし。
知的でおしとやかだった牛若神帝は、無口ではありますが少しばかりユーモラスになっておりますし。
人をうたがうということを知らず少し子供っぽかったヤマト神帝は、ゲンキやジェロのお兄さんのように面倒を見ておりますし。
レスQ天女命であったはずの神帝フッドは、なぜかいつもネコのぬいぐるみを携えておりますし。
一本釣神帝にいたっては、言葉遣いから変わっておりますし。
まとばに来る前の彼らを覚えている私には、少々の違和感を感じずにはおれません。
当初はこの世界での彼らとの付き合いが不安でたまりませんでした。
しかし、しばらく彼らと共に過ごし、分かったことがあります。
記憶を失っても、多少(・・・いえ結構ですが)の性格が変わっていても、彼らの友情は何も変わっておりませんでした。
仲間のピンチでは全員で必死に助けに行き、ボケと突っ込みの構図は変わっていても、みんなでわいわい笑いあっている。
泣くのも怒るのも笑うのも、全員一緒でした。それこそ、私が、いえ天聖界が誇る神帝隊の姿ですね。
ゲンキの言葉を借りましょうか。みんなが揃えばラッキーに当たるのですね
ハピ☆ラキ最終話より〜7因王
「聖ズーの鳴き声か」
少しばかり感慨深そうに聖ナイトロビンは目を伏せながらつぶやいた。
「若神子たちは未来へ帰って行ったんだね。」
聖星ピエトロも、少し寂しそうに後を継いだ。
「彼らには彼らの時代での役目がある。僕らの私情にこれ以上巻き込んじゃ駄目だ。」
彼らのリーダーである天児スサノは仲間達の気持ちは、よく分かるものの少しばかり諌める。
己らの力不足で情けなくも異空間に幽閉され、いたしかたなく彼らをこの世界に呼んだ。
今回の戦いにおいて、子孫である若神子の背負った役割は元々は7因王の役目だったのだ。
自分達が本来の役目を全うできなかったこと、この世界の住人ではない若神子をかなりの長期間この世界に滞在させてしまったこと、これらは今後の歴史にどの程度変化をもたらすかは分からない。
しかし、少なからずの変化はあるはずだ。彼らと自分達とのかかわりは少ないに越したことはない。
暗にそう伝える天児スサノの言葉に皆、小さく頷く。
「とは言いつつ、お前だって若神子たちと少しはゆっくり話してみたかっただろ?」
かなり個性的な7因王のリーダーとして正論を口にするのが癖のようになっているスサノの本音を引き出す役割を担うのは彼の相棒的存在の天登男ジャックだ。
「まぁ、もちろんみんなと同じで少しはそう思ってるけどね。」
少し苦笑い気味でスサノは肯定する。
「でも、このことであいつらの未来が変わって、苦しい思いさせるのはかわいそうだぜ」
「どうして、おまんはそう後ろ向きな考えばかりなんじゃ?わりぃ変化とは限らんぜよ。」
どんな妄想に取り付かれたのかガタガタ震えながら語る騎神子アリに、また始まったといわんばかりにため息をつき男一本ドッコは呆れたようなセリフをはく。
「アリのくせだからな。ほおっておけ。」
「なんだよ。それ。」
性格的に少し問題のあるアリを他愛もないことでからかうことが趣味で、ある意味では彼の天敵であるロビンとアリのこんな会話もいつものこと。
「ドッコの言うとおりだよ。僕たちは僕たちのその場で出来る最善の策をとってきた。これで正解だと思っていようよ。ねぇ?若?ピーくんの言うこと間違ってないでしょ?」
ピエトロは右手の人差し指を甘噛みしながら甘えたような口ぶりで、いつも無口な鞍馬天子若に訊ねる。
ある程度の正論ならば、反論せずに頷いてくれる若をお子様な天然ゆえにピエトロは無意識に理解している。
そんなピエトロの思惑通り、若は微笑んで「うん」と小さく、しかし、しっかりと頷いた。
「ゲンキとジェロと若神子たちが守ってくれたまとばを、今度こそ僕たちが守り抜こう。」
力強くスサノが宣言した。
個性的で性格はバラバラな7因王だが、想いは一つ。
―――まとばの平和と、若神子たちの行く末に幸あることを―――
「けど、せっかく平和になったんじゃけん、アシらも祝宴の一つでも開いてからでも遅くはないぜよ」
酒のつまみは子孫の話。
※元祖「ピーくん」はピエトロだと思う・・・
ビックリマン(パンゲ偏)〜フッド・ピーター・一本釣
「皆によろしく言っておいてくれ。」
「今度会うときは敵だね。」
ディッセ・フッドはいつものように鼻で笑い、セプテ・ピーターも同じくいつものように綺麗な微笑をたたえた。
この場に似つかわしくないような、本当に普段どおりの二人だった。
「お前ら、何言ってんだよ。さっさと逃げ出せ」
オーガス・一本釣は自らは魔洗礼から逃げ切れたものの、まるで逃げるそぶりを見せないフッドとピーターの言葉に驚きつつ、大声で叫ぶ。
しかし二人の反応は全く変わらない。
そんな二人の言動が一本釣には理解できなかった。
あきらかに動揺している一本釣を、フッドとピーターは最後の理力を込めて、少しでも魔洗礼の渦から遠ざけようと吹き飛ばした。
彼は連れて行けないから。
自らが己の意思でこの魔洗礼を受けることを、他のみんなに伝えて。
たとえ破滅であろうとも、全員の運命が再び交わることを祈りたい。
けれど、それは天使として願ってはいけないこと。
フッドとピーターは天使として最後に、世の平和を望む。
だから、一本釣を連れてはいけない。
平和を望むから、破滅をたどる我々のほうが人数が多いのは許されないことだから。
もう二度と、我ら全員の運命が交わることはないだろう。
ならばせめて、誰かが一人にならないように、一人だけ悲しい思いをしませんように。
―――待ってて。もうすぐキミのそばに行くよ。それが破滅の道であろうとも―――
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