忘れもいたしません。
ミーティアが10歳。エイトが11歳だった春の事。



「トラペッタに行きたいの」
そんなミーティアのわがままに何も言わずに付き合ってくれたエイト。。。
トラペッタに行きたいのなんかは名目。
普段はお稽古やお勉強の合間に少しだけしか会えないエイトともっと一緒に遊びたかったから。
ただただエイトと共に居たかっただけ。
一人っ子のミーティアはあなたを兄のように思っていたのです。
あなたのようなお兄様がほしかったのです。
ミーティアはあなたと居れば心が安らぐのです。



結局、トラペッタにはまだ小さな私達の足ではたどり着く事など出来ませんでしたね。
あたりは暗くなり途方にくれてしまいましたね。
でもミーティアは不思議と怖さは感じなかったの。
たぶんエイトあなたがずっとそばに居てくれたから。
あなたは泣きそうな顔をしながらもずっとミーティアの手を握っていてくれたから。。。

次の日、城に帰った私はお父様や大臣にこっぴどく叱られました。
でもニコニコ顔のミーティアにお父様も大臣も呆れ顔。
長い間、エイトと居られた事がとても嬉しかったのです。
あなたに怖い思いをさせて嬉しかっただなんて今思えば申し訳ない事ですね。



想えばいつもいつもあなたはミーティアのそばに居てくれました。
平和なころも。。。あの激しい戦いの間も。。。
いつからなのでしょう。。。
兄のように思っていたあなたがこんなに愛しく感じるようになったのは。。。
あの10歳の春の日には既に私の心はあなたの元にあったのでしょうね。
気づかなければ良かった。
そうすれば、こんなに悲しい音楽を奏でなくても良かったのですね。
あなたを愛しています。
でも永遠にこの気持ちは封印しなくてはなりません。
ミーティアはもうすぐ、チャゴス王子のものになります。
今までありがとう。
でもミーティアの心は常にあなたとともに。。。




++あとがきと言う名の言い訳。。。っていうか解説++
今まで、オリジナルの小説や詩は好き勝手に書いてましたが実はシリアスでゲームをモチーフにした詩風小説は初の試み(^^ゞ
でも、ドラクエ8はやりたくなるくらい感動したんですよ。
で、設定は不思議な泉でミーティアが語っていた、主人公と一緒にトラペッタに行こうとして迷子になったというやつです。
最後はトーポを追いかけて行ったらトロデーンに帰れた。トーポは不思議と言う話だったんですけど、ここではトーポは出てきていません。
っていうか、本来はミーティアは大泣きしたと言ってるんですけどね(笑)
ちなみに世界が平和になって、ミーティアの結婚式が決まり、主人公との過去を振り返ってる語りです。
※後に書いた「出会いから」の3を書いた時点で年齢を少々変更しました。詳しく(?)は「出会いから3」の後書きにて。。。





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