〜戻った幸せ〜その後 「おいエイト。どうやって姫さんと一緒におねんねしてたんだ?」 その様子を思い浮かべながら、ニヤニヤ顔で尋ねるククールにエイトはあせる。 疲れたから、少し休むつもりが熟睡していた。 そう。本当はそれだけなのだ。 ところが気づけば、なんと隣でミーティアが自分にもたれかかって気持ちよさそうに寝ていたのだ。 これには本当にあせった。 もちろん、その寝顔がかわいくてかわいくて仕方がなかったのであるが、それは誰にも内緒だ。 「し・・・し・・・知らないよ。そんなこと・・・」 途端にしどろもどろになるエイトがククールはおかしくて仕方がない。 もっとも知らないというのに嘘はないのだろうなと、感じたのだが。 それにしても誰が見ても想いあっているエイトとミーティアだと言うのにまどろっこしいことだ。 さっさとアタックすればよいのに・・・自分なら・・・とそこまで考えククールは内心苦笑いを浮かべた。 無理だな・・・自分でも。 そう。どうでも良い女には簡単に「好きだ」だの「愛してる」だの言えると言うのに、本当の本当の人物には・・・ 怒らせることばかりしているのだ。エイトより自分のほうがたちが悪いみたいだぜ。 てっきりもっとからかわれると思っていたエイトは微妙な表情を浮かべたまま固まっているククールを不思議そうに眺めているのであった。 〜ベルガラック物語〜その後 「お兄ちゃん〜!お兄ちゃん〜!!!見てよ〜!!!」 「ユッケ・・・お前またお兄ちゃんと呼んでる。俺たちは結婚したんだからいい加減に・・・」 勢いよく開いた扉から、同じように勢いよく飛び出した妹兼妻であるユッケの言葉にフォーグは悪態をつく。 しかし当のユッケはそれどころではなかったらしく、フォーグの言葉を途中で遮りまたわめきだした。 「そんなことより、これ見てよ。」 怪訝そうな顔をするフォーグに1通の手紙を差し出す。 しかたなしに受け取り、興味なさげに中の手紙を読んでいたフォーグはいきなり驚きの表情に変わる。 その手紙はトロデーンでの婚約披露宴への招待状。 世界有数のカジノのオーナーであるギャリング家の者は王族にも一目置かれているわけで、招待状そのものが届くことはなんら不思議なことではない。 問題は、トロデーン姫の婚約者の写真だった。 「これ・・・って・・・」 そう言ったきり絶句したフォーグに、少しばかり黙ってフォーグを眺めていたユッケは自分とほぼ同じ反応をしたフォーグに再び話し出す。 「びっくりだよね。あの子、トロデーンの姫さんの婚約者だったんだね」 あの子・・・いがみ合っていたフォーグとユッケを仲直りさせてくれた二人の大恩人。 大恩人のことながら、住まいも何も知らなかった。今はじめて知ったのだ。 「ねぇお祝い何にしようか?」 既に一度、手紙を見ていたユッケはかなり正気に戻っているようで、わくわくと考え出す。 「さすがに今度はカジノのコインって分けには行かないよな」 フォーグは昔を思い出したのか楽しそうな顔となる。 〜数ヶ月のとき〜その後 「兄貴〜。」 今にも泣き出そうそうな顔でヤンガスが叫んでいる。 恥ずかしいったらありゃしないとククールもゼシカも、もっぱら他人のふりだ。 もっとも、先ほどの想像で3人であれだけ暴れまくっているので他人のふりしたところで、全く意味を成さないのであるが・・・ 「おい、ヤンガス。いい加減にしろ。酒場にでも行って祝い酒をするぞ」 ククールのセリフに、ヤンガスは頷きながらもエイトを追いかけて行きたい気分に駆られているようだ。 バカ正直なヤンガスの態度はあっさり二人にはばれている。 「行きたい気持ちは分かるけど、今は二人きりにさせてあげなさいよ」 ついにゼシカは呆れたように口に出す。 うだうだ言っているヤンガスは説教しているゼシカ振り切りついに行ってしまうのであった。 「まったくもう・・・」ゼシカのため息が聞こえる。 ―――エイトと姫さんには悪いが、俺としてはゼシカと二人きりのほうがありがたいけどな。――― それはククールの心の声。 〜バレンタインスペシャル〜その後 「ワシもミーティアからの手作りケーキがほしいのぉ」 トロデ王は、エイトとミーティアのラブラブぶりを見せ付けられ、執務室に戻ってからもまるでオウムよろしくで同じ言葉をつぶやき続けている。 トントン。 「お父様いらっしゃいますか?」 「おぉ〜かわいいミーティアどうしたのじゃ?」 扉をノックする音と共にミーティアの鈴のような声が聞こえ、トロデはすぐに扉を開ける。 「実は、バレンタインにケーキを作ったのです。お父様にも食べていただきたくて」 お父様に「も」の言葉に少し引っかかるところを覚えながらも、かわいいミーティアの手作りケーキを食べられる喜びのほうが断然大きいトロデ王はかなり単純だ。 「おいしいのぉ。さすがはミーティアじゃ」 満面の笑みで本当においしそうに食べる父王の姿にミーティアもとても嬉しかった。 しかし、そのケーキはエイトに上げたものの失敗作だったことはトロデ王は知らない。 〜兄〜その後 「あ〜うざかった」 そう言うククールは言葉とは裏腹に満足しました。と言わんばかりの表情だ。 竜骨の洞窟で「お兄ちゃんが」「お兄ちゃんって」「お兄ちゃんは」と連発するユッケにククールもゼシカも説教などをしていた。 その言葉はまったくユッケは聞き入れなかったけれど。 ククールも自分の兄を馬鹿にしてばかりだったけれど。 たぶんククールはあの二人を見て何かを感じたのだろう。 兄を失っているゼシカも懐かしく感じていただろう。 ククールもゼシカもユッケも結局のところ兄が大好きなんだから。 本当に大変だったのは家族を知らないがために、その3人の乗りにまったくついていけなかったエイトとヤンガスなのであった |
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