「ねえ、お兄ちゃんあの子達元気でやってるかな?」
 「あの子?あ〜俺たちの護衛してくれた奴らの事か」
 ギャリングの養子のフォーグとユッケが2人でカジノを継いではや2年が経っていた。
 この2人の命の恩人である旅人は、今どこで何をしているのかわからない。



 「また来てくれると思ってたし、詳しく聞かなかったのがまずかったよな」
 フォーグはいかにも残念そうにつぶやく。
 「うん。今、私達がこうしていられるのもあの子達のおかげなんだから、せめて式に招待したかったんだけど」
 ユッケもフォーグの言葉に頷きながらいかにも口惜しそうな表情をしている。
 「まだ旅してるのか、どこかに落ち着いて生活してるかは知らんが、あれだけ強い奴だ。元気にしてると信じようぜ」
 ユッケを心配させないようにわざとらしいくらいに、フォーグは明るく振舞った。



 フォーグとしても、もう一度会ってしっかりとしたお礼を言いたい気持ちはユッケと同じ。いやそれ以上かもしれない。
 あの当時は、自分達優先でお礼もした事はしたがカジノのコインを600枚上げただけだった。
 もちろん、それだけのコインを買おうと思うととてつもない金額にはなるのだが、うちのカジノで遊んでくれと言っているようなものである。
 別れがたかったので、コインがあれば旅の途中でベルがラックに寄ってくれるかもしれないという淡い期待があった事も事実なのだが。。。
 でも実際は一度もカジノで遊んでくれてはいない。
 大事な旅の途中だったようだし、息抜きしている暇はなかったのだろうな。
 それなのに今考えればつまらない兄妹喧嘩に付き合わせてしまって申し訳ない気分だ。
 だけどあいつは。エイトは。。。
 「君達の仲直りに貢献できてよかった」とにっこり微笑んでたっけな。懐かしい。



 「お兄ちゃん。お兄ちゃんってば!何一人で物思いにふけってるのよ」
 懐かしい気分に浸っていたフォーグはユッケの言葉にはっと我に帰る。
 「ところでユッケ。いつまで俺の事お兄ちゃんって呼ぶつもりだ?もう明日が式なんだぜ。そろそろフォーグと名前で呼んでほしいのだが」
 「えっ。だってお兄ちゃんはお兄ちゃんだし、なんか変」
 フォーグとユッケは血が繋がっていない。
 小さな頃からたくさん喧嘩もしたし競い合ってきたが、相手が自分自身以上に大事だといつの頃からか思い始めていた。
 気付いた時には、兄妹というよりは人生を共に歩んで生きたいパートナーと、どちらからともなく思うようになっていた。
 お互いがお互いを支えあい、足りないところをカバーしながら生きていく。それが幸せな事だと気付いた。



 「パパもあの子達も私達が結婚するなんていったら、どんな顔したかな〜?」
 そう言うユッケはなにやら楽しそうである。
 「さあな。でも驚くだろうよ。2年前だったら俺だってこんな事になるなんて思ってなかったんだから。」
 「あはは。本当だね」
 フォーグの言葉にユッケは笑う。
 「さあ。明日は式で朝から忙しいぞ。俺はそろそろ寝るよ」
 言い終わるより先にフォーグはひらひらと手を振って寝室へ行こうとする。
 「待ってよ。お兄ちゃん。一緒に寝てよ。」
 「またお兄ちゃんって言ってるそ。」
 軽く注意さながらも恋人であり妹であるユッケが可愛くて仕方ない。肩を抱き寄せ、熱いキスをする。これは早く寝れるのかな?そう思いながら―――








++あとがきと言う名の言い訳・・・っていうか解説++

 今日、妹がベルがラックの護衛イベントをやっていまして、即席で話つくってみました。
 この兄弟、仲直りしたのは良いけど、2人でカジノを継ぐって事は子供の代になったらまた争いが起こるのでは?とか思ってたらこの2人をくっつけてしまえばいい!と勝手に(笑)
 こんな兄弟嫌だ〜〜〜〜!!!とか言う方、本当にスイマセン(^^ゞ

 それよりこの兄弟本当に血が繋がっていないのか疑問です。
 血が繋がっていないのにすごい似てると思いませんか?

 って言うかこの先は想像にお任せします(^^ゞちと際どくて申し訳ないです。





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