「兄貴、顔色がよくないでガス。大丈夫でガスか?」
「うん?・・・大丈夫だよ。ただちょっとあまりの竜の骨にめいってるだけだから心配しないで」
「そうでがすか・・・?兄貴が大丈夫と言うのなら信じるでがすが無理しないで下さいでげす。それにしてもあの3人は元気でがすな」
空を飛んでいってしまった黒犬を追うのに行き詰まり、情報収集のために立ち寄ったベルガラックでカジノの跡継ぎを決める争いに巻き込まれた。
カジノの前オーナーが7賢者の末裔の一人だった事もあって、心苦しい事もあり結局は護衛と言う仕事を引き受けたエイト一行。
兄フォーグと妹ユッケどちらか一人を選ばなければならなくなり、エイトは困り果てたがククールの「女の子は守ってやらなければ」と言う一言により妹のユッケの護衛をする事となった。
現在は眠り薬を盛られて寝坊するという失態を演じてしまい、ユッケ共々大急ぎでフォーグを追いかけているところである。
しかし、この洞窟はいたるところに竜の骨が落ちていて気分が悪くなるところに持ってきて、道も分りづらく、出てくるモンスターも強力と3拍子揃っていてエイトとヤンガスは必死な思いでいた。
しかし、ヤンガスが言うとおり前の3人、当のユッケとククール、ゼシカはそれぞれに端から見ていると全くかみ合っていないような話をしながら元気いっぱいである。
「お兄ちゃんてば昔っから意地悪なのよ。お兄ちゃんって言うのはみんな意地悪に出来てるのかしら」などとユッケは繰り返す。
そんな言葉を聞きながらククールとゼシカはそれぞれに言葉を発しているのだ。
「サーベルト兄さんはとっても優しかったわ。」と、まるで兄自慢をしているかのようなゼシカ。
「意地悪なくらい、かわいいだろ。うちの兄貴なんか底冷えするかのように冷たいぞ。」と舌打ちをするククール。
エイトとヤンガスをよそに先ほどからこの3人は同じような会話を延々と続けているのだ。
「お兄ちゃんが」「兄さんは」「兄貴はな」揃いも揃って兄、兄、兄の連発にエイトは苦笑いを浮かべる。
挙げ句ヤンガスまでもが自分の事を兄貴と慕ってくれているがゆえ、今日だけで兄と言う言葉は耳にたこが出来るほどエイトは聞いていた。
お兄さんと仲の良かったゼシカは言うまでも無い事だが、ユッケもククールも結局は兄が大好きで兄が心配で仕方がないのだろうと思う。
家族のいないエイトには良く分らない感情ではあったが、前方でギャーギャー言いながら歩いてる3人が微笑ましくもあった。
「お兄ちゃん!」
先に進んでいたフォーグが怪物に襲われているのを見て、ユッケは飛び出していってしまった。
無意識だったのかもしれない。それほどまでに必死な様子に兄を案じるユッケの心境が痛いほど分った。
そんな兄妹を守ってあげなくてはと怪物の間に入り込もうとしたエイトであったが、ククールとゼシカは既に武器を構えて戦闘体勢に入っている。
フォーグとユッケの2人に感慨深いのかもしれない。ゼシカは瞼に薄らと涙まで浮かべている。
フォーグとユッケは仲良くカジノを継ぐ事となった。
「あんなに苦労して洞窟の奥まで行ったのはなんだったんだ」とククールは悪態ついているけど、それが本心じゃない事は一目瞭然だ。心底良かったと言わんばかりに安心しきった顔をしている。
ゼシカはもっと素直に喜びを表現し騒いでいる。
しかしククールもゼシカも仲良く跡継ぎの証を見せているフォーグとユッケを眺めながら、心ここにあらずという表情もしていたことはエイトは見逃さなかった。
もう2度と会えぬ亡き兄と過ごした日々を思い起こしているだろうゼシカ。
いつか兄が自分を受け入れてくれる日が来る事を願っているだろうククール。
今、華々しい歓声に包まれる兄妹とは育ちも生まれも全く似ていないククールとゼシカの所の兄弟。
しかし、ゼシカが兄に敵を撃ったと笑顔で報告できる日が来る事、そしてククールが兄と和解できる日が来る事をエイトは望まずにいられなかった。
++あとがきと言う名の言い訳・・・っていうか解説++
カップリングの要素も何も無い話でスイマセン。しかも短い(^^ゞ
ドラクエ8は「家族愛」が隠れたテーマだそうですが、色々な家族愛が出てきましたよね。
トロデ&ミーティア、メディ&グラッド、ルイネロ&ユリマなどの親子愛も素晴らしかった。グラビウス&チャゴスもある意味愛だよな〜!と思うし(笑)
とにかく親子愛のほうは少々、話を書くという点では少々想像できないのですが、「兄弟愛」は萌えまくってます。
今回書いた3組の兄弟愛大好きです!!!
「竜骨の洞窟」ではユッケ、ククール、ゼシカとホント兄、兄、兄と連発してくれてましたよね(笑)
Photo by.空色地図
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